散歩道<3523>
opinion・日英 官僚のあり方は(1)
英も昔は年功序列 「効率と効果」狙い 民間登用増やす(2) (1)〜(4)続く 自分流に纏めた
・・・政権交代後の日本の「政と官」の関係についてどう思いますか。
「政治主導ということで各省に政治家があつまっていろいろ決めていると聞きました。政治家と官僚は役割が違うから、互いに尊敬してやればいいのではないでしょうか。特に重要なのは大臣が『これをやりたい』と言ったときです。その場合、官僚の義務は客観的に分析して問題点を指摘することです。大臣は聞きたくないかもしれないし、こいつは邪魔しようとしていると官僚が誤解される可能性も大きい。そういうことが出来る政治家と官僚の信頼関係は非常に大切だと思います」
・・・日本の官僚制度は例えば東大を出て役所に務めると、その役所が本籍地となって家族のように過ごします。イギリスはどうですか。
「昔は日本と同じでした。オクスフォード大かケンブリッジ大から役所に入り徐々に昇進していく。日本ほどじゃないかもしれないが、年功序列みたいな階段がありました。でも今はほとんどありません。年齢を問わず、有能な人をというのが原則です。15年ほど前からそんな動きが始まりました」
・・・労働党のブレア政権(1997-90年)のころから、ということですね。
「ええ。なぜかというと、その前の保守党のサッチャー政権(1979 〜60年)は『小さな政府』の観点で民営化を進め、官僚の数とか機能を減らしたいという考えでした。その後の労働党政権は公共部門を評価するという考え方ですが、イギリスでは医療、教育、社会保障、国防などの公共サービスの『効率と効果』をどう向上させるかが、非常に大きな政治問題になっています。官僚制度をどうやって上げるか、どうやって効果を計るかという問題が重要になってきたと思います。これはもう、保守党だからとか労働党だからとかいうよりも、一つの流れとしてとらえた方がいいですね」「官僚の能力として一番評価されるのは、どんな政策を作ったらいいかという大臣への政策アドバイスなんですが、大事なのはそれだけではありません。プロジェクトの管理や運営が上手にできるかなんですね。そうすると、官僚の技能で足りるのか、そういう技能は民間にあるんじゃないか、じゃ民間から導入しようとなるんですね」
・・・民間からの登用というのは。
「ありますよ。FSA(金融サービス機構)の事務方のトップは6年前、大手銀行から転職してきた。バンキングが分かるんはバンカーだから。問題は、民間は給与が官僚よりずっといいこと。官僚になるにはそれを犠牲にしなければならない」
'10.4.23.朝日新聞・前駐日英国大使・グレアム・フライさん
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