散歩道<3512>

                       opinion・新世界・国々の興亡<3>
                        金融危機後、変わる富の流れ(1)           (1)〜(4)続く         自分流に抜粋したものです  

・・・著書「市場の変容(邦題)」(プレジデント)の中で金融市場の「ニュー・ノーマン」という言葉を使っていますが、その意味を詳しく聞かせて下さい。
  私が言いたいのは、危機からの回復が軌道に乗り始めた時、世界経済はかって目にしたことのない有り様に変わっているであろう、ということ。まず第1に、ここ数年間、投資に明け暮れた国々は民間企業も政府も膨大な負債を抱えている。成長は当面、望めないでしょう。第2に、我々米国は今後、経済の安定により力点を置き、信用が再び創造されてバブルが膨らむことに対し神経質にならざるを得ない。第3に、どの国も、経済社会に対し政治が大きな役割を果たすことになる。現状のもとでは欧米各国の政府は高失業率への対応が必要になります。巨額の利益が生まれればそれは一部の民間企業が手にし、巨額の損失が生じればそれは社会全体でかぶる、という公正さを欠いたシステムは、もはや容認されない。西洋から東洋へ、北半球の先進国から南半球の発展途上国へと富が移転する世の中では、多くの摩擦も生じます。米国と中国の間に大きな通商摩擦が起きることも当然覚悟しておかねばなりません。

・・・先進諸国は公的債務を、国内総生産(GDP)比でみて急速に膨張させました。このリスクをどう見ますか。
 今回の世界危機は周辺国ではなく中枢国で起きました。巨大システムの危機遮断回路は通常、周辺を強固にし、中枢を守る仕組みになっています。今回は残念なことに危機が中枢である米国で起きてしまった。それだけに各国が受けた衝撃は大きかったのです。米国は世界経済の「最初と最後の頼みの綱」として最も深遠で最も予測可能な金融市場を世界に提供してきましたが、まさにそこに危機が起きてしまった。

'10.4.13.朝日新聞・米国大手資産運用会社「ピコム」最高経営責任者・モハメド・エラリアン氏
          聞く人・朝日新聞主幹・船橋洋一氏

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