散歩道<3509>

                     社説・法人税・引き下げ戦略を描くとき・(1)                             (1)〜(2)続く

 企業が負担する法人税の水準をどう下げるか。世界の企業を日本にもっと呼び込んで投資や雇用の機会を増やす成長戦略の観点から、避けて通れない課題になってきた。
 鳩山由紀夫首相が国会答弁で「国際的な流れに相応しく減税の方向に導いていくのが筋だ」と述べたように、各国は法人税を競うように引き下げてきた。グローバルな市場を動き回る資本を引きつける戦略だ。
 国内景気を良くして雇用を増やすには企業の投資が増え、オフイスや工場、販売拠点がたくさん出来るようにしたい。それには法人の税負担は低い方がいい。各国の引き下げ競争はそう考えてのことだ。
 日本も国税である法人税を下げ続け、1980年代末に40%以上だった基本税率は99年から30%になっている。だが、地方税である法人事業税などをあわせると約40%だ。
 これは米国と同水準だが、30%を切る欧州主要国や韓国の24%、中国の25%などと比べると高い。
 社会的存在である企業が税負担をするのは当然だ。とはいえ海外との競争を意識すれば、税率の引き下げを考えるのもやむを得ないだろう。
 参考になるのは、2008年のドイツの法人税改革だ。税制の例外措置
(そち)や抜け道を封じて課税対象を拡大した。公共も幸いし、税収を減らさずに税率を39%から29%台に下げた。
 英国も同じ時期にやはり税収を減らさずに28%まで下げた。

'10.4.9.朝日新聞