散歩道<3510>

                     社説・法人税・引き下げ戦略を描くとき・(2)                             (1)〜(2)続く

 日本でも課税基盤の拡大を図れば、税収を減らさずに税率を数%幅で引き下げることも可能なはずだ。
 これまで研究開発投資額の大きい企業に対する優遇税制は競争力の強化に役立った面もある。だが、税率をさげれば、中小も含む企業全体が恩恵を受けることができる。
 さらに大幅な引き下げとなると、容易なことではない。
 追加の財源が必要だ。それを消費税や所得税の引き上げなど個人の負担増でまかなうことが考えられる。しかし、家計に負担を求めれば反発が予想される。消費税を引き上げるなら、増税分を医療・福祉や年金に使うべきだとの声が上がるだろう。
 減税の恩恵を受ける企業は、国内で雇用を維持・創出し、社会保障で責任を果たすことが前提となる。減税がいずれ家計にプラスの効果をたらすという設計図も欠かせない。
 税率を下げさえすれば企業の投資が増えるわけではない。日本の市場と社会に、ビジネスの機会と将来性がみなぎることが大切だ。
 だからこそ消費税をどうするかも含めて税制改革と成長戦略の全体像を描き、夏の参院選で堂々と国民に信を問う。そのことを与野党に求めたい

'10.4.9.朝日新聞