散歩道<3504>

                      社説・携帯ロック解除・ガラパゴス日本に別れを(2)                      (1)〜(2)続く

 国際競争力の点では、さらに弊害が大きい。メーカーは、通信会社の買い取りによって利益を確保する一方、国内向けの新製品開発競争で疲弊した。日本が得意とする分野なのに海外で力が発揮できなくなってしまった。
 高性能な製品がただ同然で売られ、ものづくりへの敬意が薄れたとの指摘もある。これでは、日本の産業技術の基盤を弱めることにもなりかねない。
 世界の動きは急だ。
 フィンランドのノキアが依然3割を超えるセエアで優位は揺るがないが、韓国のサムスンが高性能ブランドを確率して2位に浮上した。スマートフォンと呼ばれる、より高機能の携帯が広がり、グーグルの無料基本ソフト、アンドロイドの利用も進む。
 大きな波は日本にも押し寄せる。日本のケータイの闘いは厳しいものになるだろうが、国内市場に安住しているわけにはいかないことは明白だ。通信会社にしばられずに自らの強みを生かしたものづくりの道を探り、世界にも打って出る。そんな本来の姿に戻るしか、日本の産業が生きる道はない。
 「ガラパゴス化」はむろん、ケータイだけの問題ではない。せっかくの持てる技術の可能性を自ら狭めていないのか、見直していく必要がある。

'10.4.6.朝日新聞