散歩道<3493>

                      opinion・新世界国々の興亡<1>             (1)〜(4)続く         自分流に抜粋したものです
                       「人口爆弾」、不安定さ招く懸念(2)  

・・・・グローバル化の行く方は。
   グローバル化は、初期には第1次大戦や大恐慌といった悪い結末をもたらしましたが、当時と違うのは通信革命が起きたことです。最貧国でさえ携帯電話が使えるようになった。以前は電話線敷設が障害でしたが、今や蛙(かえる)跳びの進歩です。通信革命は政治状況を激変させ続けるでしょう。心配なのは自由貿易です。とりわけアジアでは地域主義が進み、国際機構が分断されたり機構ばなれが進んだりしかねません。
・・・・「潮流」では中国のような国家資本主義が、新しい開発モデルとして関心を集めると予想しましたが。08年9月の金融危機がこうした結論を導いたのですか。
  危機で更に魅力が高まったと考えています。台湾や韓国、19世紀のドイツなど、経済近代化の中では強い政府が有効だった事例は数多くあります。中国は模範例とされ、経済問題を抱える米欧日は今や反面教師のような扱われ方です。
・・・・中印などの新興国が「反西側」の次元を超え世界秩序を作ると思いますか。
  そうは思いません。新興国が自国の発展を継続させること以上の関心を持っているとは思えないのが理由の一つです。新興国1人当りでみると貧困状態に長くとどまり続けるということが重要なカギです。結果として開発問題に焦点が当り続けるでしょう。西側諸国の能力が低下し、新興国が自国の範囲を越えた視野をもたなければ、新しい課題にどう対処するのかという問題が生じます。ペルシャ湾の石油やエネルギーをめぐる中印の紛争など、誤算の可能性はつねにあります。

'10.3.30.朝日新聞・米国家情報評議会(NIC)顧問・マシュー・バローズ   聞く人・朝日新聞主幹・船橋洋一氏