散歩道<3480>
経済気象台(549)・コミュニティビジネス
コミュニティビジネスという言葉をご存知だろうか。お役所も注目し、いくつかのプロジェクトが立ち上がっている。お役所は一時はやったクラスターのように新しいカタカナ文字には弱い。今度は、地域の課題を地域住民がビジネスの手法で解決するという意味らしい。本来お役所が解決するものだが、財政的限界もでてきたので民間がそれをやってくれるなら大助かりだ。お役所が飛びついた理由はそんなところだろう。そのことへの批判はとりあえずやめて、積極的に意味を考えみたい。
この名称やお役所の注目以前に、実は住民の活動が先行している。これがとても大切なことだ。住民がその視点でとらえた問題を自分たちのアイデアで解決しようとする姿が素晴らしい。たとえば、地方でも人のつながりが希薄になり、老人たちの居場所が無くなる一方、若い母親達が子育てに悩む事態がある。これを目にして、老人も入りやすいカフェを作って出会いの場を作ろうという等身大の課題解決を考えた一人の主婦の発想はとても健全である。実は地方ではこんな発想を持つ人が草の根で増えている。
このような活動は、億兆円の利益を目指すビッグビジネスから見れば瑣末(さまつ)なことかもしれない。ささやかな発想だから、課題解決にも、ビジネスにも失敗はあるかもしれない。たしかにそこでのささやかな成功の経済的な成果は小さいかもしれない。しかしそのささやかな成功は地域社会に自信と誇りを再生するだろう。地域の疲弊は単なる経済の問題ではなく、この自信と誇りの問題である。各地でこのようなささやかな成功が次々に実現する姿こそ、わが国の活力ある将来社会のモデルとなると断言したい。