散歩道<3477>

                       耕論・こうする!日本再生・成長する(3)                   (1)〜(3)続く
                           安定・分配ふまえ起業おこせ 

 その上で、税制を改革する。配偶者間以外は相続税を一率20%にして、消費税は毎年1%づつ引き上げて10%とすれば、計20兆円の税収増が見込める。景気が経済危機前まで回復すれば税収は70兆円を越え、プライマリーバランスは黒字化する。それで再就職のための職業訓練や失業給付などのためのセーフティネットを整える。
 こうした必要条件を満たしてこそ、労働市場の規制緩和や流動化に着手できる。人材の流動化を阻んでいる退職金優遇税制をやめ、給与の何ヶ月を払えば解雇できるという解雇ルールを明示することだ。参入規制の緩和、法人税減税や投資減税も必要だ。
 日本経済の最大の問題点は、日本を投資先や起業の場に選んでもらえなくなるようにしてしまったことに加え、イノベーションに最も重要な「資本」である「ベンチャースピリット(起業家精神)」の欠如を招いたことだ。政府が行うべきは、「安定化政策」と「再分配政策」に支えられた成長への土台づくり、つまり「成長政策」だ。それは規制や法制度、税制のシンプル化なのである。

'10.4.1.朝日新聞・駒沢大准教授・飯田 泰之さん