散歩道<3476>

                       耕論・こうする!日本再生・成長する(2)                   (1)〜(3)続く
                           安定・分配ふまえ起業おこせ 

 再分配にはお金がかかる。その財源は結局、経済成長に求めるしかない。すでに高度成長を果たした日本では、長期的な経済成長は究極的には技術進歩、イノベーションでしか達成できない。それは政府の政策ではなく、中小企業を中心とした無数の経済主体が自らリスクを取って新技術を開発したり、新たなビジネスモデルを工夫したりすることでのみ生まれる。
 ところが、このデフレで、起業が借金して新技術の開発などを試みるのは難しい状況だ。社会全体ではイノベーションが必要なのに、個々の経済主体はそのリスクが取れないという「合成の誤謬
(ごびゅう)」に陥っているのが、今の日本だ。
 これを解消するために必要なのが「安定化政策」だ。「成長率が2%程度の巡航ペースとなるまで、インフレ率が安定的に1%台後半から2%になるまでゼロ金利政策を続ける」と日本銀行は宣言し、量的緩和を行うべきだ。そして政府と日銀は、この方針で一致していることを共同で表明する。
 次が「再分配政策」の見直しだ。日本の若者など一部の年齢層で、税や社会保障などによる再分配後の方が、再分配前よりも貧困の程度が大きくなるという異例の国だ。若者から高齢者へ、都会から地方へと一律に富が移転される設計であることが大きい。少子高齢化で人口の年齢構成も変わったのだから、ひずみはたださなければならない。今の年金制度は、現役から高齢世代へ所得移転といえる事実上の賦課方式だが、これを積み立て方式に改めることだ。

'10.4.1.朝日新聞・駒沢大准教授・飯田 泰之さん

                                       

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