散歩道<3469>
耕論・こうする!日本再生・破綻させる・(1) (1)〜(3) 続く
ショックを与え既得権壊す
もう20年も停滞しているのに、いまだに危機感が薄い。この国は一度、破綻(はたん)させたほうがいい。その方が問題点がクリアになり、人びとの危機感が高まる。
停滞の底流には戦後作り上げた政治・経済システムの耐用年数が切れたことがある。新しいシステムに移るべきだと、多くの人が頭では分かっている。だが中高年層にとって、終身雇用や手厚い年金といった「既得権益」はありがたい。これを変えられることは、かれらにとっては理不尽。だから、改革が進まない。
若い世代には閉塞(へいそく)感が一段と募っている。学校を出ても就職できない。不況時の雇用の調整弁が新卒採用しかないからだ。上の世代は守られているのに自分たちは、と思っているのだろう。
破綻とは終りではなく、新しいシステムへの一歩だ。心臓発作や脳梗塞(こうそく)を起こした人はショックを受け「このままではいけない」と生活習慣を一変させる。会社が破綻すると社員に危機感が高まり、いやな問題に本気で取り組むようになる。状況が状況だから、切り捨てられる側も受入れざるを得ないし、切り捨てる側も冷徹になれる。
これを国レベルで考えたい。破綻したらない袖はふれないから、本当に必要なところ、本当に困っている人にしかお金を出せない。国庫がカラ同然とわかれば、中途半端に困っている人は文句を言えなくなる。「弱者もどき」は除外し易くなるし、陰で「おいしい思い」をしていた人たちも、できなくなる。
'10.4.1.朝日新聞・経営共創基盤CEO・富山 和彦さん
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