散歩道<3468>                    

                     ザ・コラム・積み上がる国債・(4)            (1)〜(4)続く
                     
財政安定には3世代かかる        

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 現在日本国民が持つ銀行預金などの金融資産をすべて合計してもGDPの3倍程度しかない。政府純債務が3倍を超える状況になれば、日本人だけで政府債務を保有することはできない。外国人投資家が国債保有者の相当な大きなウエートを占めることになるだろう。
 現在、日本の株式市場が米国市場の値動きに強く連動しているのは、日本での株売買の多くが 外国人投資家によるものだからだ。国債市場で外国人投資家の保有割合が高まれば、株式市場と同じように、日本国債の動きも 外国人投資家の行動に強く依存することになるだろう。
 そういう時代になれば、ちょっとしてうわさによって市場心理が変化し、外国人投資家が国債を投売りするようなことが頻繁に起きる。国債が乱高下し、長期金利やインフレ率も不安定になる。金利や物価の不安定な動きが企業や家計を苦しめ、日本経済の基礎体力を消耗させる悪循環がはじまるかもしれな。アルゼンチンや現在のギリシャ
*1のような不安定な経済と財政が、日本の次の世代とそのつぎの世代を苦しめるだろう。
 将来世代への責任を直視し、長いスパンで財政再建の道筋を描く必要がある。


'10.3.31.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏


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