散歩道<3463>
社説・ギリシャ支援・(1) (1)〜(2)続く
ユーロ進化への転機に 写真はギリシャ・シンタグマ広場の新聞売り場
予告された破局が、だれにも阻めないまま本当に起きてしまう。
ギリシャ古典悲劇を地でいくように財政危機に陥った現代のギリシャを支援するため、欧州連合(EU)が動いた。それはEUが自らの「予告された破局」を回避するためでもある。
ギリシャは、EUの単一通貨ユーロ圏のメンバー16ヶ国の一つだ。この問題を放置すればユーロの信認が揺らぎ、財政赤字をため込んだ他のEU諸国も危機に直面する。
EUの首脳たちは、ユーロ圏が国債通貨基金(IMF)と連携し、必要な時にギリシャに融資する方針を決めた。同国は財政赤字の削減に努め、EUやIMFがその中身を吟味する。
合意に達するまでにはEUを二分する激論が交わされた。
ユーロ加盟国は金融政策さえ共にしている。その一員を支援するのは当然だ。フランスなどはこう主張した。
加盟各国は、まず財政規律を守るべきだ。放漫経営をした国は助けたくない。ドイツなどはこう反論した。
結局、ギリシャの財政赤字削減の監督役としてIMFを招くことで決着した。ユーロ圏を「一つの国」のようにみる人たちにとって外から力を借りるのは、忸怩(じくじ)たる思いではないか。
'10.3.29.朝日新聞