散歩道<3448>
社説・98の空港(2) (1)〜(2)続く
無責任のツケを誰が払う
国土交通省がまとめた全国の空港の国内線の状況によれば、比較可能な69空港のうち、実績が需要予測を上回ったのはわずか8空港だった。
不況も一因であろう。しかし、建設反対を押し切ろうと、もともと甘い需要見通しをつくったのではなかったかそんな疑いもぬぐえない。
需要予測は、人口や国内総生産の将来予想,観光需要などをもとに作られる。本来は客観的なものとなるはずだが、その調査の多くは国土交通省出身者が幹部を務める財団法人などに委託されている。
全国の空港で駐車場や保安業務の多くを請け負っているのは国交省航空局が所管する27の公益法人だ。うち20法人に官僚700人以上が天下っている。空港利権に期待する関連業界や自治体、政治家。官僚もそのなれ合い構造にくみした結果が、無責任な空港建設に繋がったのではないか。
98空港の多くは赤字経営だ。その運営維持に巨額の税金がつぎ込まれ続ける事実も忘れてはならない。昨年1月に日本航空が撤退して経営が苦しい福島空港では、空港運営の赤字を税金で年間3億〜4億円穴埋めしている。
アジアなどからの客を呼び込むなど、各空港が経営の改善に向けて努力することが望まれる。だが赤字垂れ流しをいつまでも続けることはできない。見通しが困難な空港は、思い切って統廃合を進めるしかない。
ハブ化する羽田との連絡など航空網の未来図はもちろん、新幹線と高速道路も含む総合的な基幹交通ネットワークを描きながら、空港ごとの採算性を厳しく問いたい。
'10.3.12.朝日新聞
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