散歩道<3436>

                         社説・中国人民元(1)                 (1)〜(2)続く
                       徐々に切り上げへ動け

 中国の人民元の為替相場をめぐって米国などが切り上げ圧力を強めている。中国は態度を硬化させているが、冷静に考えれば人民元を徐々に切り上げることは中国にとっても得策であることが見えてくる。
 人民元のタイドル相場は1j=6.83元のまま、1年8ヶ月も動きを止めている。中国の中央銀行が人民元を売ってドルを買う為替介入で押さえこんでいるからだ。
 人為的に安くした人民元の力を借りた中国製品の輸出攻勢には、欧米から途上国まで反発の声をあげている。これに対し温家宝首相は最近の記者会見で「圧力をかけて強く
(切り上げを)迫るのは貿易保護主義」と言い返した。そんな姿勢は「中国傲慢(ごうまん)論」のもとにもなっている。
 巨額の財政出動をてこに世界金融危機の影響から真っ先に抜け出し、高成長を回復した中国経済のエネルギーはすごい。その勢いに照らせば人民元の切り上げで輸出品が高くなったり、輸入品が安くなったりする影響を吸収することは難しくない。
 中国はもっと介入の手を緩めてはどうか。2005年7月にいったん介入を緩和し人民元改革に踏み出してから3年間で対j相場は2割ほどあがった。その中でも中国は10%成長を続けた実績を見ても、「元高恐怖症」にとらわれる必要はない。

'10.3.22.朝日新聞

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