散歩道<3413>
経済気象台(542)・事業は人なり
今の時代には、社員自身が会社の将来を思い、業務のあり方や、顧客満足度などの改善に取り組み続けるような企業でなければ生き残れない。決ったことしかやらない社員、権利を主張するだけの社員などを抱えた企業は早晩破綻する(はたん)。マーケットの変化にはいち早く追従し、あるいは先取りし、さらには自らマーケットを変えていく、いわば挑戦し変身続けることを企業は求められている。社員がそのための力になるのか逆に重しになるのか、この差は大きい。
社員は経営者を写す鏡。上に立つ者の器量とマネジメント力次第で彼らの意識は大きく変わる。トップ自ら現場に出向いて話を聞く。会社の経営状況、組織ごとの業績や課題等々を現場第一戦にまできちんと知らせる。重要な意思決定も速やかに開示する。大事なのは信頼感である。とりわけ人事は社員にとって納得的なものでなければならない。
再建目指すJALの会長が就任を前に「近い将来、日航の全社員が物心両面において幸せになって欲しい」と言い、その為に引き受けたのだ、という旨の話をした。是非そうなって欲しい。だがJALの労使関係が不信の歴史であったことは周知のところである。JASの統合を経てなお8労働組合を有する姿がその象徴である。組合間の不信感も根強い。しかもこれからグループ人員の約3割に相当する1万5千人超を削減するという。賞与や給与も減額必至、手当なども縮小される。
厳しい状況はまだまだ続くが、まずは新経営陣は社員の本音を聞き、対話を積み重ね、会社再生に向けての思いと覚悟とを共有しなければならない。社員がその気になれば会社は変えられる。
'10.1.27.朝日新聞