散歩道<3390>

                    opinion・日中逆転中国に抜かれる それで?(2)               (1)〜(2)続く

 日中逆転について、ですか。心理的抵抗というか、そういうメンタリティーがあるのは事実ですよね。明治時代「日本の外交、国際感覚は恐懼(きょうく)と侮辱の間をうろうろしている」といった人がいるそうです。「見下し」と「見上げ」ですね。今も有識者の中には「中国に抜かれる」「どうするんだ」という言い方をするひともいますが、「それで?」というふうにぼくは思っています。
 地方レベルではお付き合いしてみると、雇用、格差、農村、高齢者、医療の問題など、お互いの課題で参考になる事例がたくさんある。お互いが学ぶという気持ちで付き合えば、果実がすごくあります。向こうはいいところもあるし、難しい問題も抱えているし、すごく貧しい部分もある。恐懼(きょうく)と侮辱の間をさまようことは、どちらもしてほしくないですね。
 中国人観光客への期待は、もちろんあります。世界の観光産業は中国人を超有望と見ています。でも日本へはまだ少ない。
 私たちも努力しなければなりません。奈良は長く「大仏商法」と言われてきました。大仏の前で待っていれば、お客さんが来てくれた。これではいけない。県庁の職員が率先して「おもてなしの心」を実戦するようにしています。観光業の人に対しても「サイフをねらわないように。ねらったら財布は閉められてしまう。心が開けば財布も開く」という言い方をしています。余計なお説教ばかりしているようで申し訳ないのですが。

'10.2.7.朝日新聞・奈良県知事・荒井 正吾さん