散歩道<3387>

                       opinion・日中逆転・世界のモデルにはならない(1)                 (1)〜(2)続く

 米国発の金融危機以降、米国型の金融や市場経済を核とする資本主義が衰退する一方、国家が管理する中国型の資本主義が優位隣、世界の成長モデルになる。そんな指摘が日本でもある。
 私はそうは思わない。
 中国は経済を解放したが、政治は解放せず「一党独裁」を守り、共産党官僚は権力を利用して大もうけをしている。野党の監視も国会の議論も存在しない。元新華社通信の楊継縄氏によれば「権威政治プラス市場経済のもとで、権力と金が同盟を結び、権貴資本主義が膨張している」状態だ。
 「裸体官僚」という新しい中国語を知っていますか。私腹を肥やし、妻子を先に外国へ住まわせ、資産をすべて送った後、裸一貫で高飛びする官僚のことだ。こんな「特権官僚資本主義」ともいえる仕組みが、世界の成長モデルになるだろうか。
 景気刺激策の中身をみてみよう。
 2009年は中国建国以来最大とされる大量の融資が、国有銀行を通じて鉄道、道路、空港など政府の公共事業へつぎ込まれた。使い切れない金が株式や不動産投資にも回っている。あたかも米国のバブルが太平洋を渡って中国へ移動したようだ。
 公共事業の主な担い手は国有企業だ。資金を必要とし、出稼ぎ農民の受け皿でもある民間の中小企業には回らない。その結果、役所の庁舎、接待用ビルなどが乱立し、環境や資源の節約を考えない建設も頻発している。

'10.2.7.朝日新聞・神田外語大教授・興梠(こうろぎ)一郎氏


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