散歩道<3383>

                     opinion日中逆転・新秩序づくりに心意気示せ(1)              (1)〜(2)続く

 日本はこの23年、「中国に抜かれる」ことを意識下に織り込んできた。金融危機以降は、日本だけでなく先進国全体から中国など新興国へのパワーシフトが起きた。これでもう、「日中逆転」の心の準備は済んだと思う。
 国際ルールづくりを主導してきた米国の力が弱まる一方で、台頭する中国にはまだその穴を埋める意志も力もない。このため今後、環境や貿易などの政策協調は難航し、新しい秩序ができるまで時間もかかるだろう。そのなかで日本はどう生き、どんな秩序づくりを目指すのか。「逆転」後をどうするのか。それが本当の課題だ。
 まず今後も対等な日中関係を保つ心構えが必要だ。日本には国際関係を上下関係で捉える人が多い。追い上げてくる中国を不快に感じる人は、「逆転」されると今度は「顔色をうかがう」心理に陥るおそれがある。東アジアが「中国一極集中」になるのか、周辺諸国も注視している日本に心意気がないとみれば、一極集中が加速するだろう。
 これからの日中ビジネスは「双方向」だ。豊かな中国人観光客に期待して、日本政府もビザの発行基準の緩和を進め始めた。ビジネス用マルチビザの発給も緩和を急ぐべきだ。例えば過去数年に何度も入国し、違反がなければ、招待状や保証書などの書類なしでマルチを出してはどうか。

'10.2.7.朝日新聞・東亜キャピタル社長・津上 俊哉さん

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