散歩道<3373>
社説・朝青龍騒動(1)・ここから何を学ぼうか (1)〜(2)続く
「品格」が問われ続けた横綱、朝青龍関が引退した。直接のきっかけは泥酔しての暴行騒ぎだが、身勝手な行動や行儀の悪さでトラブルを重ね,角界を去らざるをえなくなった。
スピードとみなぎる闘志で土俵をわかせた、やんちゃな横綱の退場を、さびしく感じるファンも多い。
責任はもちろん、本人と指導力を欠いた高砂親方にある。だが、一連の騒動は、相撲界の課題もあぶりだした。大相撲はプロスポーツであると同時に、儀式性を重んじる世界だ。勝てば地位も収入も上がる強者優先の仕組みと、伝統や品格といった精神論が並存する。だから力士には、強さだけではないものが求められている。
確かに朝青龍には自覚と努力が不足していた。しかし、モンゴルから来た少年が入門してからわずか4年余で最高位に上りつめ、角界を背負う立場になったことを考えると、支える態勢が十分だったのか、疑問が残る。
新弟子を「国技」の担い手にまで育てるには、心身両面での丁寧な指導が必要だ。日本の言葉や文化に慣れない外国人ならばなおさらである。親方任せではなく、相撲協会全体で身を入れて取り組まなければならない。
'10.2.9. 朝日新聞
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