散歩道<3349>
経済気象台(530)・子ども手当てと所得制限
昨年暮れ、民主党は政権交代後始めての2010年度予算案を四苦八苦の末、何とか編成した。最後までもめたのは、マニフェストに掲げ、民主党の目玉となっていた子ども手当てに所得制限を導入するかであった。最後は「小沢裁定」も出されたが、結局鳩山首相は所得制限なしで押し切り、何とか対面を保った感じである。
その際、しばしば「社会全体で子どもを育てるから」というセリフが用いられた。私は、この説明に違和感を持っていた。一つに、「子どもを育てるのは、本来親だろう」という思いがあり、経済的に苦しい親のみを社会が支援すべきだという気持ちがあるからだ。そしてもう一つに、見方によっては多額だが、月額1万3千円ぐらいで子どもは育てられない、社会全体で責任を持つというならその数倍は必要と思う。
そもそも子ども手当については、各種の世論調査を見ると、国民は両手を上げて賛成しているわけではない。裕福な家庭の子どもにまで、これだけ多額な手当てを現金でなぜ支給しなければならないのか。親が勝手に子育て以外に使うかも知れない、景気刺激と言いつつ貯蓄に回る額も多いだろうなどと、不安は尽きない。
それより、所得制限が必要なのは、何より財源不足の為である。今回は自動手当てを残す形で、企業、地方自治体に負担を一部肩代わりさせた。まさに姑息(こそく)だ。こんなことをいつまでやる気なのだろうか。そもそも2011年から、全額を支給するだけの財源をどう確保するというのだ。このばらまき支給は、一旦始めたら政治的にやめることは至難の業であることを承知の上でやっているのだろうか。