散歩道<3346>

                    経済気象台(530)・新年「大人虎変」への覚悟           

 関西の有力経営者であり文化人である池田銀行自然総研理事長の清瀬一也氏から、干支(えと)の占いが送られてきた。雇用不安、生活不安のなか、新年をどううらなっているのか関心をもった。
 それによると、新年2010年は庚虎
(かのえとら)に当っているとのこと。庚は両手で杵(きね)をつき脱穀する形、継続断続、切磋琢磨(せっさたくま)、更新刷新することを意味する。 寅は両手に矢をはさむ形で、約束、協力、支援の意味があるという。従って新年は「自然と社会、談論風発、切磋琢磨、十人十色、素直な心で、それぞれ大人虎変の更新を期待したい年」と占いたい、としている。
 大人虎変とは、徳の高い人が変革する時、寅の毛が きっぱり抜け替わるように、あざやかに更新刷新することを意味している。ちなみに小人革面は、過ちを指摘されても表面を少ししか、変えないことを意味する。
 ところで最近の状況だが、失業率の高止まりや、貧困層の拡大など経済が壊れたかのようだ。そのなかで鳩山政権は、世界をリードする温室効果ガス削減目標宣言、脱官僚宣言、無駄なダム計画の廃止、こども手当ての創設など注目を集める政策を打ち出した。だが、問題は長期的にどういう方向を目指しているのか一向に見えないことだ。景気対策や雇用対策など総合的にどうするか政府の意図が伝わってこない。
 膨大な借金と財源不足の中で、政府頼みだけでは、そう多くを期待できそうにない。民間でも新たな成長分野への業種転換や新興国への国際分業化の一層の推進など、経営の構造改革を迫られている。
 新年は、その意味で小人革面に終わるか、大人虎変になるか問われそうだ。

'09.12.29朝日新聞

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