散歩道<334>
面白い本・立花隆様(2)・サイエンス・ミレニアム・悩を侵す環境ホルモンについて
甲状腺ホルモンの濃度とPCBの濃度が、見事な甲状腺ホルモン相関関係を示しているグラフがあります。エストロゲン類は脳内の言葉によるコミュニケーシヨン機能の発達をコントロールし、又、甲状腺ホルモンは、悩内のいわゆる記憶や知能、それに注意力の発達を制御しているようです。甲状腺ホルモンが不足すると、信号の流れが100分の1ぐらいまで遅くなって、つまり進化のレベルの低い生物の脳神経系と同じになってしまう。ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)(注意欠陥多動性障害)と呼ばれる最近アメリカの子供達に目立つ現象です。ハウザ博士は最近、幼児期及び児童期における「甲状腺疾患について」という本を出版し、現代社会でヒトが科学物質に曝(さらされて)されていることがADHD問題に1つの役割を演じているのかもしれないと述べています。明らかに、前頭葉の機能不全症の特徴として知られている症状が、次から次に出てくることです。子供は、最も人間らしい部分を作るといわれている、前頭葉がきちんと発達しなかった子供なんだ、ということだと思います。これは人類という種にとって大問題です。人間という種でも、単に親子だけでなく隣人や友人など、ヒトは色々な人間との結びつきを、それぞれ持っていて、それを共有することによって全体が1つの社会として成り立っている。そういう基本的な仕組みが、今あちこちで切れて、社会全体が解体現象を起こしている。そこへ環境ホルモンが拍車をかけていると、言い換えてもいいかもしれない。フォン・サールの低容量実験によって、環境ホルモンが、これまで考えられていたレベルより、ずっと低レベルで作用することが解った為に、安全性基準を設定しなおす話が持ち上がっている。