散歩道<3313>                     
                           社説・アジアとの共生(3)                   (1)〜(3)続く
                              
手携え人づくりの大循環
 

ニッポンの再発見
 
 その中で日本の中小企業からアジアブランドを100つくれないか。100の地域をアジアに誇れる特産品の産地に育てられないか。
 日本の人材がアジアに出るだけではいけない。日本もアジアに開かれた社会に脱皮する必要がある。観光客も留学生も増やし、働き手を受け入れたい。日本の企業や地域を評価するアジアのマネーも受け入れるべきだ。「外の目」による再評価は日本の地力を再生させる糧になる。
 そうやってアジアの人々と手を携え、大きな人づくりの連鎖と循環を生み出したい。アジアで成長社会が興隆しつつある。その舞台を借り、不確実性にひるまない人間を育てる機会を得られるなら、それは幸運だ。
 日本を人づくりから成長軌道に乗せることこそ「国家百年の計」ではないか。新産業を興すにも、改革を通じてたくましい社会システムを築くためにも、アジアとの間の「人づくり大循環」は力強い支えになるだろう。

成長を共有する、
 アジア融合は将来「共同体」と呼ばれるような姿を結ぶかもしれない。大切なのは、そこへの道筋を支える経済や社会の下部構造を築く営為である。米国との政治的なきずなを大切にしつつ、アジアという大海の中で生き抜く訓練を重ねる。そうした日本人の中から、次の優れた世代を生み出すことができるだろう。
 中国は今年には国内総生産(GDP)が世界2位になる。だが、3位になる日本を悲観すべきではない。中国を含むアジアの飛躍に日本の人と技術と文化を生かすことで、共生と新たな成長への道を切り開きたい。

'10.1.4.朝日新聞