散歩道<3304>

                           社説・激動の世界の中で(1)・より大きな日米の物語を                      (1)〜(3)続く

 21世紀も今年で10年になる。911テロや二つの戦争、未曾有の不況をへて、すっかり姿を変えた世界は10、20年後はどうなっているだろう。
 中国は米国に迫る経済大国となる。米中、大欧州に加えて新興諸国が地球規模の秩序形成にますます存在感を増す。紛争はなくならないまでも、地球規模で相互依存が深まり、より安定しているかもしれない。
 対極のシナリオもある。米政府の国家情報評議会が描く「2025年」。中国、インド、ロシア、などが連携して米国と対立し、保護主義や軍拡が蔓延
(まんえん)する、あるいは新興諸国の発展がエネルギー危機で止まり、資源争奪の軍事衝突が始まる・・・・。
続く地殻変動の中で、日本はどうやって平和と繁栄を維持し、世界の安定に役立っていくのだろうか。
 「日本の奇跡」。2ヶ月前、オバマ米大統領は東京での外交演説でこの言葉を繰り返した。戦後日本の復興という「奇跡」が他のアジア諸国にもひろがり、いまや世界経済を支える地域の繁栄になったというのだ。日米の同盟を軸とした米国のアジア地域への関与がそれを可能にした。


'10.1.1.朝日新聞