散歩道<3280>
美術展・日曜美術館・クリムト
クリムト接吻の写真
'09.12.NHK日曜美術館・「クリムト・黄金にきらめくエロス」があった。出演は妻尚中さん、アート・ディレクター・結城(ゆうき)昌子さん、そこでとりあげられたクリムト(1862-1918)。
彼の絵は初期に、ウイーン美術史美術館の作品展で認められた後、彼にウイーン大学の講堂、天上画の依頼がある。大学の講堂に人間のありのままの女性のヌードの姿を挑発的に描写する。その絵の淵は金箔で塗り固められていた。大学の天上に飾られた絵は、大学には似つかわしくないと大学の理事から大変な非難をあびた。そこで彼はその絵、4枚のうち3枚を取り外してしまう。
・当時は世紀末で、この時代の西洋文化の特徴的は、性愛への没頭である。彼の描いた「接吻」の絵は、ニューヨーク・ノイエ・ギャラリーに156億円で競売で競り落とされている。
・彼は時代の変わり目を読むするどい感覚を持っていた、社会にも未来の不安がただよい、ハプスブルグ家の終末も予想していたのではないかと思われる。
・人間の性描写を自由に大胆に描き上げた背景には、固く形作られた伝統や文化、威張っている人物でも、一枚剥けば、魔性の女性に会えばどきっともするだろうし、男性なら興味引かれるのは同じであると、訴えてたかったようだ。
彼は金細工の家に生まれていたので、幼少のころから金細工の使用に精通していると思われる。(作品の細かい塗る技術は、今の専門の工芸家でも難しいほどの出来ばえだそうだ)。
彼は、陰影を帯びた金の使用に精通し、ビザンチン美術の教会に飾られた女神の金細工の絵や、モザイクガラスの金の模様の輝き等に、特に興味をもったと思われる。又、日本のジャポニズムだけでなく尾形光琳*1の絵(紅白梅図屏風)も参考に、その構図(右上から左下への流れ、左右対称の形など)のように描かれたようだ。又、日本の染料技術である(菱形や楕円模様等の繰り返しを参考にし、渦巻き模様、藤、花紋ちらし等)も参考にされているようにも読み取れる。
画家にとって金は神の色、まとう服や、陶酔している様子や背景を金箔で覆いたかったのではないか。それこそが描ける最高の状態と彼は考えたのかもしれない。
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