散歩道<3273>             
                    ザ・コラム・2010年の経済政策  新しい産業 環境軸に創出を(2)                (1)〜(3)続く

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 財政政策には、雇用対策や低所得者向けの福祉を充実して国民の安心感を高めるとともに、経済を成長させる長期的な方向性を明確にする必要がある。
 キーワードは、やはり「環境」ということになるだろう。
 地球温暖化対策の国際交渉は今後も紆余
(うよ)曲折が予想される。だが確かなのは、化石燃料に依存した経済構造を改め、再生可能エネルギー中心に日本と世界の経済を変えていくことは、長期的な日本の国益に合致するということだ。
 IEA(国際エネルギー機構)の世界エネルギー展望によれば、化石燃料の価格は長期的に上昇傾向が続く。石油依存の経済のままでは、石油が枯渇しなくても、日本は産油国に莫大
(ばくざい)な石油代金を支払わねばならない。石油に依存しない産業構造を作るための投資を行えば、その投資コストは国民の負担になるが、化石燃料の使用を減らせるので、石油代金などの外国への支払いを節約できる。化石燃料に依存しない経済構造を作り上げることが長期的に日本の産業界にとっても国民にとっても利益であることは間違いない。
 政策としては政府が財政資金を大規模に投資して環境技術の研究開発と普及を促進し、化石燃料に依存しない新しい産業構造と社会構造を創出することが必要だ。その過程で、公的部門や環境関連産業に大きな雇用が生み出されることになり、需要と供給のギャップを埋める景気対策にもなるはずである。新しい産業は経済の持続的な成長の原動力にもなる。

'09.12.11朝日新聞 経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏

<検>氏名・小林 慶一郎氏567、1187、デイベート経済1251、1463、1753、1758、1907、けいざいノート1938、2160、2228、2589、2676、2713、2773、<2948>ザ・コラム市場と共同体(1)〜(3)、<3015>ザ・コラム財政政策(1)〜(3)、<3036>ザ・コラム文化戦略(1)〜(3)<2873>ザ・コラム銀行国有化、<2662>クルーグマン氏・大不況克服へ巨額財政出動せよ(1)〜(4)<3128>ザ・コラム・国際金融規制(3)<3162>ザ・コラム・新政権の政策理念(1)〜(3)<3206>ザ・コラム・G20は近隣窮乏化防げるか(1)〜(3)