散歩道<3269>
霊長類研究者・山極寿一さんに聞く 理由なき殺人 なぜ続く(1) (1)〜(3)続く
最近理由もなく人が殺される事件が目立つ。山極寿一京大教授(人類進化論)は、不可解な現象の背景は、「共感が欠如した社会」にあると指摘している。なじみのニホンザル、さらに人間に近いゴリラ、チンパンジー、を長く実地で観察した研究の成果から、人と人を結びつける社会を作り上げる上で、会食が持つ意味は一般に思われている以上に大きく、「暴力を抑える装置」と言えるという。
個食化 共感力失った現代
・・・秋葉原と土浦の連続殺傷事件に共通点を感じるとか。
どの被告も社会的経済的に追い詰められていたわけではない。なぜ、突然、路上の惨劇の主人公となってしまったのか。秋葉原の被告はネット掲示板にしか身の置き所がなく、土浦の被告は家族と驚くほど疎遠だという。事件の背後には家族に育まれる、他者に共感して生きる力を欠き、思うように自己実現できない若者たちの焦燥感があるように思う。
・・・他者との共感とはどのようなものですか。この世に生まれた子が最初に出会うのは,食物を与え、体を洗い、服を着せ、幸福な限りを与えてくれた家族だ。やがて成長するにつれて、自分だけが満足しても仲間といっしょに幸福になることはできないことに気がつく。自分の欲望を抑えて仲間を喜ばすことを真菜ぬ。共感という人間社会に不可欠な能力がここに芽生える。
'09.11.30.朝日新聞・霊長類研究者・山極寿一さんに聞く
関連記事:散歩道<339>山極寿一さんの、脳に関して衰える「探る能力」
![]()