散歩道<3258>
経済気象台(520)・時を生かす戦略
デフレやドバイ経済の危機などの対しては、政府や日銀の緊急対応の姿勢が明らかとなり、急落した株価は持ち直してきたが、米国経済の停滞とその影響はまだ重くのしかかっている。
一方、中国を始めアジア諸国などの経済は堅調で、世界のパワーバランスは大きく変わりつつある。この過程で日本はどのように特色を生かせるのだろうか。米国でも日本でも政権が交代したことは、今がこれまでの通念を打破して、未来からの視点に立つ貴重な「時」であることを示唆している。鳩山政権への期待も不連続な、そしてだからこそ、この絶好の変革への機会の重要さを意識してのことだろう。
しかしそれを生かすには、政治の強いリーダーシップが必要である。その第一はポピュラリズムへの迎合ではなく、国民の多くが「本当はそうしたかった」と思えるような国ずくりのビジョンの提示である。
振り返ってみると、戦後日本経済の奇跡的な復興は、「焦土と化した困窮の中で経済の復興を優先し、エネルギーのすべてを集中する」ことで国民の意識が一つになり、それを可能にする投資と選別が促進され、農村経済の底上げ、という所得再配分の戦略なども取られら結果である。
今求められているものも、そうした分かりやすく納得のゆく戦略だろう。CO2の25%削減というこれまでの延長線上では不可能に近い目標を国際公約とし、それが国内外の人の心にも響いていることをどう生かすか。これを軸として、教育も企業経営もそこに繋がる変革を起こし、日本がもつ長所とエネルギーをそこに収斂(しゅうれん)しながら、もろもろの政策をその一点につながるように展開するのも一つの考えだと思う。