散歩道<3254>

                       経済気象台(517)・事業仕分け人VS官僚

 事業仕分けでは、官僚*1たちの説明をベースに仕分け人がその是正を判断する。各事案で1時間の攻防だ。ネットでも公開されている。1時間では不足とする声もあるが、そんなことはない。この攻防をみて長妻昭厚労相が、幹部達の説明能力不足を指摘した。確かにテレビでも、仕分け人の指摘に動揺する官僚の映像が多い。すべての事案を見ていないので、説明能力不足について正確な評価は出来ないが、かって官庁発注の調査を仕事にしていた経験からすれば、さもありなんと思う。 プラザ合意の円高不況を境に、景気対策を理由に財政規律が緩んだという実感がある。特に小渕政権以降は、調査予算がいくらでもつく状態が強まっていった。はやりのキーワードが入ったテーマであればなんでもありで、同一省庁内でも似たようなテーマが次々に発注されていた。調査分野に限らず、官需全般がこうだったのではないか。納税者としては大いに疑問に思っていた。
 今の官庁幹部たちは若いときから長期間にわたって、このような予算のつき方が当たり前として育ったに違いない。大蔵省、財務省の査定の厳しさが言われるが、これにしても、三、四十年前とは様変わりだったろう。劣化する前提条件が整っていたのだから、説明能力不足当然であるし、そもそも本来の事業構想力も鍛えられていあに。
 今後も事業仕分けは継続すべきだし、地方自治体でも推進したら良い。さらに、同様な方法で過去の事業の査定を強めるべきだろう。こうした活動を通して、不要な事業の抑止力となると同時に、説明力以前に、真に必要とされる事業の構想力が官僚たちに醸成されることを期待する。


'09.11.25.朝日新聞

関連記事:散歩道<410>面白い話・*1官僚制<検>政治、<検>経済気象台、