散歩道<325>

                         新選組展・近藤勇と歴史の変革期

 新選組,それは今から140年前に活躍した、現代の我々に近い時代に存在していた人たちの話である。実に多くの、きれいに書かれた文章、手紙、免許皆伝の書など資料を残している。私が新撰組を知ったのは、映画による大仏次郎の鞍馬天狗である。”それでは、闇にまぎれて鞍馬天狗が正義の味方の侍として、新組の活動場面に必ず出没し、新組をやっつける。”そこでは新組は悪者の代表者である。しかし、日常で起こった資料が〔こんなに残っていたのは、おそらく彼等が生まれた故郷では、多くの住民の応援が長くあったからであろう)。しかし明治政府は、初期から長期に渡り、最後の幕藩体制を維持しようとしたこのグループは、いいイメージで見なされていなかったのである。見方を代えれば、今のNHK大河ドラマの新組のような活躍をする〔又、格好いい)、歴史上の事実がある(当時の日本は黒船来航により勤皇、幕府側それを取り巻く各藩の動き等、揺れに揺れていた日本であったことは事実であるが)、(当時、会津藩主から京都の治安を依頼された、京都の治安維持の役目を果たした功績はある)。この展覧会の関係する物の中には、大正時代、大仏次郎様によって長期にわたり連載された、「鞍馬天狗と新組の活動」に関するような、(大仏次郎様の)本からの関係する出展はない。とすれば、どちらが事実の話であったとしても、1つの方向から見た、作られた物語であったと思われる。歴史書物語とは勝者の側から書かれた、物語であるという話を聞くが、そのことは事実であろう。このことを知るだけでも、このような展示会は見る意味があると思う。新組の歴史は明治2年(1869)の土方歳三の死によって終わるが、元新組の永倉新八、斎藤一がどうして大正4年(1915)まで生き延びることが出来たのであろうかと、興味ある歴史上の話である。

7月19日まで京都文化博物館で開催中