散歩道<3248>

                       経済気象台(514)・民主党政権の市場評価

 民主党政権に対する評価が、国民と市場とで大きく異なる。鳩山政権に対する国民の支持率は依然として高いのだが、市場、特に海外の投資家の間ではかなり厳しい評価が見られる。象徴的なものとして、日本「新斜陽国」論まである。
 もともと市場原理主義の行き過ぎを批判してきた政権だがら、市場受けしないのはある意味では当然だ。しかし、海外の投資家による日本売りが株価の下落を通じて日本経済を冷やすとなれば無視できない。
 決定的となったのは郵政トップ人事で官僚経験者を登用し、「天下り」是認、官僚支配の継続懸念を呼び起こしたこと、ならびに新年度予算編成で国債増発、国家破綻
(はたん)懸念をあおったことだ。前者については抗弁の余地がないので、今後の実績で官僚支配でないことを示す以外ない。
 しかし、予算編成はまだ本丸攻め、つまり特別会計へのメス入れが出来ていないので、この段階での評価は早すぎる。民主党政権の「目玉」の一つが、一般会計と特別会計の一体化にある。特に特別会計でのムダを排除することで、全体として財政赤字や、政府債務の軽減も可能になる。
 特別会計にメスが入れば、国家破綻
(はたん)懸念も杞憂(きゆう)に終わるが、進め方に無理がある。限られた人数で、膨大な特別会計の事業仕分けをするより、各特別会計の実態を、1億2千万余の国民にさらすほうが早い。これまで国民に「知らししめず、寄らしめず」で官僚のお手盛りでなされた姿を、国民の厳しい目で要不要をチェックし、政府がそれを取りまとめればよい。
 メディアの協力も必要になる。その点、記者クラブ制から脱却し、自由で中立な情報提供が望まれる。


'09.11.7.朝日新聞

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