散歩道<3239>
社説・世界経済・新たな不均衡に警戒を(2) (1)〜(2)続く
欧州のユーロ圏16ヶ国も今年下半期はプラス成長を見込むが、回復の足取りは弱々しい。失業率はやはり10%突破が避けられそいうにもない。
その半面、中国は7〜9月期に8.9%の成長を達成した。世界銀行の推計によれば、中国が今年は8.4%成長を確保し、日米欧の需要減の分の4分の3を補うという,すばらしい勢いを保っている。
中国に象徴される新興国の発展は世界を危機から救い出す力ともなっているのだが、手放しでは喜べない要素がある。世界経済の新たな不均衡の芽も生まれているということだ。
先進国ではデフレや不況の圧力の下で超金融緩和が続いているが、これが巨額なマネーの流れとなって、新興国の株式や不動産の市場でバブルを生みかねない。現に中国では、膨張した融資や海外マネーが株式や不動産の相場を押し上げ、行き過ぎと反動を警戒する声がくすぶっている。
過剰な消費と借金がある一方、貯蓄や生産が多すぎるという不均衡は、世界危機の背景要因になった。その不均衡を是正しつつ、世界経済の新たな不均衡を引き起こさないための協調の仕組みをどう築くか。会議の焦点のひとつが、そのことだった。
結局、1年後をめどに、枠組みを段階的につくっていくことになった。各国・地域が経済運営の方針を示し、相互に監視・協議して世界規模でのバランス確保を目指すというのだ。
だが、景気対策としての財政出動が巨額の赤字をもたらすにつれ、先進国は金融緩和への依存をなかなかやめられなくなる可能性もある。
不均衡の種をいつまでもまき散らされないためには、先進国が危機から早く立ち直るよう全力を注ぐしかない。G20の協調と各国にとって試練が続く。
'09.11.10.朝日新聞