散歩道<3229>
                 パネル討論・「資本主義の将来」(3)金融危機の教訓 生かせ                  (1)〜(3)続く        

予防意識 芽吹く
・・今回の危機と、民主主義の関係を考えてみたい。
岩井氏 去年9月に米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻。米政府が金融全般の救済処置を出そうとしたら、民主主義の力で、いったんつぶされてしまった。民主主義がポピュラリズムに陥ると、資本主義をさらに悪化させる可能性がある。資本主義の中には公共性を持った指導者がどうしても必要だ。民主主義はその指導者が暴走しないための担保として、意味があると考えている。
ジョス氏 同じ考えだ。資本主義と民主主義との間に緊張関係がある。一方インセンティブと公平感も必要だ。例えばインセンティブだけだと、格差社会になりかねない。完全な平等をあくまで追求した場合は、経済の停滞で生活水準が下がってしまう。経済制度と政治制度は連動している。
サッセン氏 民主主義によるルールが行き届いていればいいが、問題は分配だ。それぞれの団体、政府がちゃんと主張し、その請求が認識されることが大事だ。それから、リーダーシップをただ単に信頼することはできない。どうやって経済制度を民主化できるか。そのうえで分配のシステムを考えていきたい。
・・・では、金融・経済危機の予防は可能なのか。どうしたら再発を防止できるのか。
岩井氏 バブルは予防できないもので、政府や中央銀行ができるのは事後処理だけだという立場は、今回の危機で取れなくなったと思っている。事後処理だけではまさしくこんな大惨事が起こってしまう。さまざまな金融のテクニックが必要だが、流動性の危機を示すサインはある。低金利政策を続け、バブルを生み出し始めたときに、それをチエックすることは、ある程度できると思う。これからは予防しなくてはならないという意識を今回の危機が人々に植え付けたと考える。

2009.11.4.朝日新聞・パネル討論・東京大学教授・岩井克人氏、米スタンフォード大学院教授・ロバート・ジョス氏 米コロンビア大教授・サスキア・サッセン氏

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