散歩道<3204>
社説・新政権の日本・「学校自治」に変えてゆこう(2) (1)〜(3)続く
進行していた危機
ところが、その裏で進行していた病が、やがて教育のゆがみとして指摘されるようになる。受験戦争の弊害、荒れる学校、90年代に噴出したいじめや不登校・・・。00年ごろからは学力低下が叫ばれた。
ときどきの自民党政権は様々な改革を繰り出した。最大の問題は、システムの土台に手をつけなかったことだ。
上位下達の教育行政は、第一に深刻な「教師の危機」をもたらした。
ピラミッド型組織に組み込まれ、指示に振り回される。生徒を座らせ、プリントをやらせるだけで精いっぱい。
「子どもに向き合う時間が取れない」と悲鳴が上がる。燃えつく、辞めてゆく教師が増え、サラリーマン化した教師の質の低下も指摘される。
子どもたちはどうだろう。
きめ細かな学びが必要なのに、全国一律の物差しで学力競争に駆り立てられる。近年は、規律や規範が強調されるようになった。
「疲れを感じる」「自分はダメな人間」とアンケートで答える中高生は、米国や中国に比べ際立って多い。
鳩山政権は、この「55年体制」にもメスをいれ、地域や学校に大幅に権限を移そうとしている。
国の役割は、一定の教育水準の維持と、教育環境整備のための財源確保に限定する▽教育行政の責任は自治体の長が負い、教育委員会はそれを監視する機関に改める▽公立小中学は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家が参画する「学校理事会」が運営する・・・。政権公約や川端達夫文科相の説明によれば、こんな構想だ。
改革が進めば、文科省のありかたも見直しは避けられない。日本の教育、特に義務教育の風景は、一変することになるだろう。
'09.10.19.朝日新聞
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