散歩道<3199>
opinion・ 私の視点・医療事故(2) (1)〜(2)続く
国の調査機関の設置を急げ
一方で、今回政権の座についた民主党も対案を出している。しかし、そこには次のような問題点がある。
民主党案では、医療機関の中に調査委員会を設置して自ら事故原因を調べることになっている。しかし、わが国の医療機関が長年にわたって医療事故の隠蔽やカルテの改ざんを繰り返して歴史を考えると、医療機関自身による調査は到底信頼できない。それに、一部の大病院を除いて、病院内に公正で権威ある院内調査をする委員会を設置できる実力はない。
私の長男は、26年前、大学病院で手術を受けた後の管理が不適切だったため、一時呼吸停止になり、脳に重い障害が残り23年近く意識不明の状態が続いた後、3年前に死亡した。看護日誌の記述から病院側の過失が明らかなのに、病院側は非を認めなかったため、提訴し、裁判では病院側の過失が認められた。大病院でさえ過失をなかなか認めようとしない医療界の体質を考えると民主党案では真実が明らかにできないだろう。
厚労省案の発表にいたるまでには同省の検討会が、多くの参考人の意見を聞き、素案段階で広く国民から意見を募り、それらの多くの意見が織り込まれた。「国民の生活が第一」という民主党政権は、医療事故被害者の気持ちに配慮して、厚労省案の法案を早く成立させてほしい
'09.10.11.朝日新聞・医療事故被害者家族・稲垣 克己氏
関連記事:散歩道<1401>鶴見俊輔さんと語る・医師・中村哲さん、<1572>鶴見俊輔さんと語る・医師・徳永進さん、<1612>面白い話・麻雀、<1613>私の視点・医師・医学教育・痛みのわかる医師養成を〜(2)、<1615>私の視点・医学生へ・医学を選んだ君に問う〜(2)、<1945>臨床試験・系統立てすべてに法規制を〜(2)、