散歩道<3198>
opinion・ 私の視点・医療事故(1) (1)〜(2)続く
国の調査機関の設置を急げ
わが国には、重大な医療事故が発生した時に、原因を専門的に究明する機関がない。
これまでは、患者側が事故原因を不審に思っても、それを解明するには裁判に訴えるしか方法がなかった。また、医療従事者が予期しない重大事故に遭遇した時に、その原因を医学的見地から徹底的に解明する方法もなかった。
厚生労働省はこれまで国の組織「医療安全調査委員会(仮称)」の設立に向けて検討を重ね、昨年6月に同委員会の設置法案の大綱案を発表した。同案では、医療事故はすべて同委員会に報告することになる。委員会では事故原因を被害者に報告して疑念を晴らすようにすると同時に、調査内容を医療機関に公開して、医療界全体で事故情報を共有し、同様の事故が再び起きないようにするという。
医療事故が起きた時は、委員会に届ける義務を医療機関に課し、その届け出をすれば警察への届け出は不要となる。故意、事故の隠蔽(いんぺい)、カルテの改ざん、標準的な医療から著しく逸脱した医療、医療事故を繰り返し発生させる、など悪質なケースは委員会が警察に通報することになっている。
法案は当初、昨年中にも国会に提出されると予想されていたが、大綱案の発表後、一部の医療関係者から反対の声が上がり、今でも国会に上程されないままになっている。
'09.10.11.朝日新聞・医療事故被害者家族・稲垣 克己氏
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