散歩道<3197>
     
                         社説・どうする 自民再生(2)                         (1)〜(2)続く
                           慢心捨て 現場に出て学べ

 小選挙区制のもとで、特に茨城のような保守王国では、自民党の公認を得られれば落選の心配はなくなる。だから、彼らは現場に出かけて勉強する必要も、政策を検証する必要も感じなくなった。まして二世や三世の政治家たちは、国民の暮らしの現実を知る機会もないまま育つだろう。さらに小泉政権以降、首相の諮問機関などがますます重用されるようになってからは、そうした機関と官僚たちとのすりあわせだけで政治が行われいる印象だ。
 自民党が政権を奪い返そうというのなら、これまで政権政党だったという慢心を捨てなければならない。借金返済を最優先にして社会保障や教育、地方の再生といった一番大切な政策の費用を削り、しかもそのことに一切目をつぶってきた。医療費を削ることは国民の命を削ることにほかならない。政権政党でありながら、どうしてそのことに気ずかなかったのか。
 私たちが再び自民支持に戻ることがあるとすれば、自民党が政治家として基本的な活動ができる集団になったときだろう。官僚が決めたことを国会で通すだけなら、議員は要らない。若いうちからさまざまな勉強を重ね、現場を見て政策をきちんと評価できる政治家の集団になってほしい。何年後かに再生を果たしたときに働き手となる若手を、今から公募してあつめるくらいの気持ちで、基本から変えなければならないだろう。

09.10.11.朝日新聞・茨城県医師会長・原中 勝征氏