散歩道<3173>

                       経済気象台(500)・グロール化に向き合え

   新政権が走り出した。温暖効果ガス削減目標の引き上げや公共工事の中止など、マニフェストの政策が実行に移され始めた。
 筆者は、家計への所得移転を通じて需要を創出し、また環境・エネルギー分野を中心に、技術革新を促し競争力を高めようとする新政権の経済政策は正しい方向を向いていると考えている。
 しかし同時に、大きな不安を感じる部分もある。それは新政権が、グローバリゼーションという現実に、正面から向き合うことを避けているように見えることだ。鳩山首相は、グローバリゼーションが国民経済を破壊してきたとのべている。又民主党は、自由貿易の推進に腰がひけている。
 たしかに、グローバリゼーションが、さまざまな負の影響を与えてきたことは事実である。安価な輸入品との競争から、収益が悪化している産業・企業はすくなくないし、空洞化の危機にさらされている地域もある。
 しかし、グローバリゼーションは避けようもない現実である。世界経済の重心は新興国に移り始めており、その傾向は、金融危機後さらに顕著となった。近い将来、新興国の中間層が、米国に代わって世界の需要拡大を牽引する時代がやってくる。
 その中で日本経済が成長を続けてゆくためには、彼らとギブ・アンド・テークで、お互いの経済を支えあう関係を構築することが不可欠である。日本企業は、製品やノウハウを輸出し現地への進出を進めて、成長市場から大きな利益を得ることができる。また、日本が市場を開放することは、自らの構造調整を進める大きな原動力となる。グローバリゼーションへの正しい対応なくして、日本経済の成長はない。


'09.9.29.朝日新聞