散歩道<3153>

                         社説・リーマン破綻1年(4)                          (1)(4)続く
                          運命を共にする時代        

グリードをグリーンへ

 排出量取引は金融取引の一種でもある。いわば「グリード」を飼いならして、地球温暖化対策と経済成長に役立てようとする制度なのだ。米国で開発されたが、実態は欧州に先を越されたため、米金融界にも「早く追いつきたい」という声が上っていた。
 日本でも鳩山氏が20年の温室効果ガス削減目標を90年度比で25%と明言した。排出量取引の導入も進んでいくに違いない。経済界には反発も根強いが、持続可能な成長に向けて力を合わせることが大切ではないか。
 信頼の大切さを学んだ人々は、意識のありようが経済や政治の根本を左右することも知った。米国にオバマ政権が誕生し、日本の政権交代が実現したのも、そのことと無縁ではない。
 宇宙船地球号というエコシステム(生態系)を共有する感覚は、今後さらに広がるだろう。その上に、新しい世界経済の調和の姿を目指したい。
 米国も欧州もアジアもイスラム世界も、文明に貢献する豊富な蓄積を持っている。それぞれの力と価値観が組みひものように絡み合いながら、グローバル経済のひずみを是正し、環境と両立する豊かな文明を築く・・・。
 21世紀型資本主義は、そんな発展の道筋を見いだしていけないだろうか

'09.9.14.朝日新聞

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