散歩道<3148>
社説・鳩山新政権へ (2) (1)〜(3)続く
未来に責任はたす財政を
財政改革の目標示せ
民主党が政権公約に盛り込んだ政策の中には「大盤振る舞い」に過ぎるものも少なくない。鳩山政権はそれらを再考すべきである。
たとえばガソリン税などの暫定税率の廃止(年2・5兆円)や高速道路無料化(年1・3兆円)は、地球温暖化対策と矛盾する。これらの政策実現を焦って国庫に巨額のつけを回すことは民意に背くのではないか。
一方、子供手当てや出産一時金に5・5兆円を投じる公約は少子化対策として価値がある。だがその実現には、民主党が掲げる所得税の配偶者控除や扶養控除の廃止だけでは足りない。
不足する保育所の整備を組み込んでいくにも、恒久的な財源を確保する展望を示すことが不可欠だ。
民主党は来年夏の参院選に向けて成果を示したいところだろう。だが、無駄の削減や特別会計の運用益などの「埋蔵金」を、別の事業に財源としてつぎ込めとしても、それは一時的なつじつま合わせに過ぎない。
子ども手当に限らず、持続的な制度をつくるには恒久的な財源が必要だ。民主党が進めようとしている歳出改革だけでは不十分であり、歳入すなわち税制も含めた財政構造改革に本気で取り組まなくては成らない。
そのためには「国家戦略局」や、新しい政府税制調査会が中心となって中長期的な財政再建目標を検討し、そこに至るロードマップを国民に示さねばならない。
国と地方の借金は800兆円超で、国内総生産(GDP)の1・7倍にのぼる。主要国で最悪だ。
政府が巨額の借金をしているのに、大量の国債が売れ、金利も低い、これは個人金融資産1400兆円が不況下安全な運用先を求めた結果だが、世界経済が回復すれば大量の国債にいつまでも買い手がつく保証はない。
'09.9.4.朝日新聞
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