散歩道<3147>               

                         社説・鳩山新政権へ  (1)                     (1)〜(3)続く
                         未来に責任はたす財政を            

 民主党が政権与党としての力量を試される最初の大関門はいうまでもなく補正予算の組み替え、そして来年度の予算編成である。
まず注目されるのは、総選挙で訴えた歳出の改革だ。国の総予算の207兆円からムダを省いて9兆円をひねり出し子供手当てなどの財源に当てる。そう公約して期待を集めた以上、自民党政権ではできなかった無駄の刈り込みをとことん進めてほしい。

公約実施では大局を見て 

 総選挙から5日、民主党は動き始めている。来年度予算の概算要求を白紙に戻す方針を示し、経済危機対策として執行が始まっている今年度補正予算も見直す構えで、岡田克也幹事長が「駆け込み執行しないように」と麻生政権にくぎを刺した。
 麻生政権がこの1年間に取り組んだ景気対策の事業費総額は130兆円。規模が先行されたため、不要不急の事業も少なくない。46を数える基金の4・4兆円や、国立メディア芸術総合センター(アニメ殿堂)などのハコモノが代表格だ。
 失業率が予想を超えて悪化している経済状況を考えても、より効果的で、将来につながる内容の景気対策が求められる。無駄な事業をやめ、適切な予算に組み替えるよう期待したい。
 とはいえ、民主党は予算執行に責任を持つ立場となる。現実にできることと無理なことを冷静に判断し、政権公約に盛った方針の修正を辞さない柔軟性も求められる。
 来年度予算の編成では、そうした大局的判断がとりわけ必要だ。
 今年度の予算は経済危機対策で補正後に空前の100兆円規模まで膨らんだ。来年度にそれを圧縮すれば景気にはマイナスに働く。かといって予算規模を維持しようとすれば、国債の大量発行がさけられない。
 鳩山氏は国債発行について「(今年度の44兆円から)増やさない。当然減らす努力をしないといけない」とのべた。だが、景気の悪化で税収の大幅減が見込まれる以上、それもかなり難しくなりそうだ。

'09.9.4.朝日新聞


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