散歩道<3140>

                          経済気象台(493)MADDOCSの法則

 米国のある経営学者は、エクセレント・カンパニーが衰退したり、破綻(はたん)にいたったりする原因を分析して、七つの習慣病を指摘している。
 企業に限らず、どのような優良組織にでもかなりの程度当てはまるので、筆者は英語の文字をとってMADDOCSの法則と呼んでいる。
 この習慣病とは、近視眼(M)、傲慢
(ごうまん)(A)、成功依存症(D)、現実拒否(D)、拡大偏執尚(O)、現状満足(C)、タコツボ化*1(S)である。

 わが国でこの法則が最もよく当てはまる最悪の組織は、官僚*2機構である。だが、無謬性(むびゅうせい)神話と情報隠蔽(いんぺい)、責任回避システムや雇用保証に加え、政治家の首を差し出せば国民からいくらでもカネを引き出せるという仕組みによって、破綻回避どころか半世紀以上も肥大化してきた。官僚機構の抜本的な改革には、革命的な努力を要するため、国民がしがらみだらけの自民党に引導を渡し、民主党に希望を託したのが今回の選挙であった。
 次にこの法則が当てはまるのが、自民党である。独占組織体である官僚機構と異なり、政党は選挙という競争制度にさらされているため、積年の悪習の果てに、今回の解党的惨敗にいたった。
 だがMADDOCSのような没落への条件を示す法則もあれば、復活への法則もある。自民党はここで反省をし、官と業にたかる利権派長老を排し、他党攻撃を専らにする口舌の徒を除く一方、国民という顧客を再発見し、真の国民政党へと変身すれば、復活のチャンスはある。
 民主党といっても、煮立てれば何が飛び出るかわからないヤミ鍋のような危うい政党であり、組織は磐石ではない。

'09.9.8.朝日新聞

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