散歩道<3136>
経済気象台(489)・法人税と企業成長力
米誌フォーチューンの世界売上げランキング(09年版)によると、韓国のサムスン電子は40位、LG
電子が69位。日本の家電メーカーではパナソニックが79位、ソニーが81位だ。携帯電話の世界では、首位ノキア(フインランド)をサムソンが追い、LGは5位につける。
自動車業界でも、韓国最大手の現代自動車は、売上げ高でホンダ、日産自動車におよばないが、08年の世界の新車販売台数では5位。アジア勢の中ではトヨタ自動車に次ぐ。自動車、家電、電子部品、半導体・・・・。韓国などアジア企業の追い上げが激しい。アジア企業は多くの日本人技術者を迎えいれ、最先端の技術を習得している。ただ、技術水準のみならず、これほど短期間に企業規模まで追い越されるには、別の理由があるのではないか。
現代の先端的製造業は、研究開発にも生産にも大きな資金が必要で、税引き後利益が企業成長の重要なかぎとなる。
日本40.69%、ドイツ 29.83%、中国25.00%、韓国24.20%。この数字は、各国の法人実効税率だ。日本は、法人への課税率が著しく高い。例えば、日本と韓国の企業が同じ利益を上げても、税引き後利益は日本企業が小さくなる。そうなると研究開発や設備投資に回す資金も小さくなり、国際競争で後れを取る。
これがアジア企業による日本企業追い越しの一因ではないか。国際競争で生き残り、製造業の海外移転を防ぎ、日本経済が成長を続けるには、多国並みに法人税率を引き下げる必要がある。充実した自己資本は、技術開発や設備投資に向かう。企業が拡大すれば、雇用が増え、社会も豊かになると考えるのだが。
'09.9.1.朝日新聞