散歩道<3134>
広告・異文化への理解と適応力を個人も国も持つべき時代へ(4) (1)〜(4)続く
真面目さと勤勉は日本人の普遍的価値
1961年コロンビア大学経営大学院を卒業した茂木会長は、MBAを取得した日本人の先駆者。氏を経営学の研鑽に向かわせたのは、本シリーズで幾度もその名が挙がるドラッガーの著作だ。それまで読んでいた日本の経営者は堅苦しい学説の羅列ばかり、そこに飛び込んできた、「顧客の創造こそ企業の重要な目的」というドラッガーの言葉は、至言に思えた。
「顧客本位の考え方に感銘し、これはアメリカで学ばねばと思いました。留学中に読んだ数多くの本の中で、後年、自分の経営者としての糧(かて)となったのはジョエル・ディーンの"Managerial Economics"経済学の理論を実践的な経営における意思決定にいかに取り入れるかを説いた、私にとっては経営経済学の聖典的な著作です」
企業経営者には「国際市場での挑戦」が必要
70年代初期にはアメリカに工場進出し、原料・資材・人材のすべてを現地調達する経営の現地化に成功。現在海外に7生産拠点を持つキッコーマンは、国内での老舗(しにせ)のイメージと異なり、海外では先進的な企業イメージが定着している。国際化が加速している今日、茂木氏はリーダーに求められるものは「国際市場での挑戦」だと語り、社員には異文化社会への適応性を期待する.
「適応とは、順応とは違います.例えばキリンは高い木がある草原に順応した動物ですが、木のない場所で首が縮むワケではありません。一方、適応といえばカメレオンがそうです。アメリカ、ヨーロッパ、アジアとどの地域でもその文化に適応できなければ、真のグローバル企業にはなれないでしょう。英語さえ話せれば国際派だということではありません」
グローバル社会だからこそ際立つ、日本人の美質もあると語る。
「日本人の真面目さと勤勉さです。これらは日本の豊かな食文化や食の安全性ともつながっているもので、その普遍的な価値を世界に届けられるものだと思います。
'09.9.11.朝日新聞・キッコーマン株代表取締役会長・茂木友三郎氏
関連記事:散歩道<689>新しいアングルをもとめよ、
![]()