散歩道<3133>

                広告・異文化への理解と適応力を個人も国も持つべき時代へ(3)          (1)〜(4)続く

今こそ政治に求めたい短期思考からの脱却
 ほかにも最近の本で芭『世論調査と政治』という本を興味深く読みました。著者の吉田貴文さんは朝日新聞のジャーナリストで、世論調査の実態や政治とのかかわりの変遷を詳しく紹介しています。
 民主主義の基本である民意を図るものとして、世論調査には高い有用性があります。しかし、過度の依存は政治家や有権者を短期思考にさせ、政治のポピュラリズム化を助長するおそれがあります。本書の著者は、マスコミには高い能力や見識と倫理観を、政治家には支持率に一喜一憂せず、性別や年代、地域など結果を細かく検証し、政策に組み入れる分析力を求めています。有権者もまた、その数字がどのような調査方法や設問から出てきたものかを認識することが必要です。
 「ねじれ国会」の中で対立の時代画続いた日本の政治は、そろそろ建設的な政策論争、すなわち対話の時代へと成熟すべきです。そのためには社会全体が、長期的な視野と高い情報リテラシーを持つことが必要だと私は思います。


 '09.9.11.朝日新聞・キッコーマン株代表取締役会長・茂木友三郎氏

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