散歩道<3124>
シンポジューム 「いま『言語力』があぶない 読書は言葉を救えるか」(4) (1)〜(5)続く
パネル討論 豊かな表現活字の魅力 複雑なことを語る文化が衰退 言葉の力あれば、生きやすい 本との出合い支える体制を
北川:フインランド語で「読む」は「ルケア」。「学ぶ」という意味もあります。読むことは学ぶこと、というわけです。ただ、やさしい、楽しいだけの本ばかり読んでも、考える力は育たない。自分の未知なる世界を開いていくような読書なら、さまざまな意味で役に立つのではないか。
秋田:読書は役に立つからするのだ、と価値づけることには、私は抵抗があります。母親が寝る前に読み聞かせてくれた、その心地よさが私自身の最初の読書体験でした。本は面白いから読むし、読んでいたら面白くなって没頭する。その結果として、言語力がついたり、人間理解が深まったりするものでしょう。この順序の逆は危険です。
山根:そういう意味もあってでしょうか、日本では「子供に読ませたい本」として、大人が本を選ぶことに、賛否がありますね。
平野:小学生のころ、学校で紹介される本が面白くなくて、読書が好きじゃなかった。当時周りには、両親が離婚したり、施設に預けられたり、過酷な現実を生きている子がいくらでもいたのに、勧められる本は「いい話」ばかりで。ただ、今の若い人には、「読みたい気持ちはあっても、あまりに本が多すぎて、今の自分が読むべき本がわからない」という現実もあると思います。
'09.9.4.朝日新聞 パネル討論 山根基世さん 北川達夫さん 平野啓一郎さん 秋田喜代美さん
<解釈>OECD:*1経済協力開発機構 、PISA:*2学習到達度調査
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