散歩道<3122>
シンポジューム 「いま『言語力』があぶない 読書は言葉を救えるか」(2) (1)〜(5)続く
パネル討論 豊かな表現活字の魅力 複雑なことを語る文化が衰退 言葉の力あれば、生きやすい 本との出合い支える体制を
山根基世さん 「いま『言語力』が危ない」というテーマですが、実際に言語力が危ないと感じられることがありますか。
北川達夫さん 若い人達には、仕事上の疑問点を、先輩や上司に尋ねず、別の会社にいる友達にメールや電話で聞く、ということが起っていると思います。もしくは、インターネットで検索したり、ウィキベディアをみたり、仲間内のコミュニケーションは緊密だけれど、仲間でないと感じる人とはかなり困難なところに来ているんじゃないか。
平野啓一郎さん 作家として若い読者のこと考えるとインターネットを通じてのコミュニケーションは、大人よりも優れている。でも、そうした情報処理の延長で、パターンとして小説を読んでしまうというか、「これはどういうことだろう」と自分の考えをふくらませる、作者の意図を読み取ろうとする、そういうデリケートな読み方は若干雑になっているかなと思う時があります。
秋田喜代美さん 情報として必要なものを得られればいい、という風潮でしょうか。言葉を味わって楽しみ、複雑なことを複雑に受けとめ語る文化が衰退している。
平野:教育やマスメディアによって語彙(ごい)が制限されてきたことも大きい。文体も「読みやすい」か「読みにくい」の二つしかなくて、「読みやすい」がよいことになっている。小説に難しい言葉を使うと、怒られる時代ですから(笑)。文体に感心する文化も失われつつある。
山根:アナウサーとして、放送では、中学生が聞いても分かる言葉を使うように心がけていましたが、「本当にこれでいいのか?」と疑問も感じていました。
'09.9.4.朝日新聞 パネル討論 山根基世さん 北川達夫さん 平野啓一郎さん 秋田喜代美さん
<解釈>OECD:*1経済協力開発機構 、PISA:*2学習到達度調査
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