散歩道<3111>
                   
                       opinion・09政権交代座談会・選択の意味(3)              (1)〜(8)続く                  
                      民主圧勝どう読む    鳩山政権100日の課題   自民党の出直し

民主圧勝どう読む  予想を上回る自民パージ   日本人が「市民」になった
 
御厨 自民党はこれまで与党として、国民からすべてを包括委任されていると思ってきた。だからマニフェストは嫌いだし、わかっていない。民主党は政権をとったことがないから、お題目を並べるのは得意だが、自分たちが強いところ、年金とか農業の所得保障とか子育てとかに限定せざるを得ない。ところがメディアはあらゆる分野を求めるから、民主党も無理してマニフェストを書いた。 
石原 有権者が全部を読んで判断することはできないのだから、項目を絞った方がいいのじゃないか。とはいえ今後は洗練されるだろうから、スタートとしての意味はあったと思う。 
 英語のマニフェストは「明らかにする」という意味だ。その意味で、自民の談合政治とは相互に矛盾する。マニフェストが苦手な政党が退場を命じられたというのは、まさに時代の流れを感じさせる。マニフェストは詳細である必要はない。むしろ、壮大であってしかるべきだ。いい例が「コミュニスト・マニフェスト・(共産党宣言)」だ。
御厨 自民党が公明党と連立を組んで10年。その結果が、公明党の小選挙区全敗、主だった幹部の落選だった。7月の東京都議選では逆風の中で議席を伸ばしたのに、この間の変化はどうだろう。
石原 公明党は日常生活にかかわる事柄を重視してきた政党だ。地方選挙には強いが、国をどうするかという大きなテーマーでは、有権者の変化についていけなかったのだろう。
 いつまでもニンジンが目の前にぶら下がっているかのごとき幻想にとらわれて、最後まで自民と組み続け、しがみつく感じに市民有権者はネガティブな反応を示した。時代の風、歴史の流れを肌で感じられるかどうかが明暗を分けた。
御厨 都政への公明党の要求は本当に細かい。他の政党にはできない一種のすき間産業のようだが、それが国政でもできるかというと難しい。連立維持のため平和主義も投げ捨て、主張のない政党になり、もはや自民の中のちょっと変わった派閥という存在になってしまった。

'09.9.1.朝日新聞 座談会・東京大教授・御厨 貴氏、元内閣官房副長官・石原 信雄氏、同志社大教授・浜 矩子さん

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