散歩道<3103>
経済気象台(483)・財源を二分し、議論せよ
30日投開票の総選挙をにらんで自民党と民主党がマニフェストを公にした、共通して言えることは、どちら歳出のバラマきと財源隠しに走っていることである。財源と一口にいっても、消費税率の引き上げに言及するオーソドックスなものから、政府の無駄を省くなどといういいかげんなものまで含まれている。議論を混乱させないように、財源を2通りに区分すべきである。
財源を所要の額だけ確実に得るためには、いうまでもなく制度変更に立脚したものでなければならない。これが第一のタイプで、安定した財源の確保のためには不可欠な条件である。具体的には、時期を決め税率を引き上げるとか、特定の歳出を削減するなどにより調達する必要がある。毎年着実に支出が増大する社会保障費などは、このような安定財源で賄わねばならない。
これに対し第二のタイプは、制度的に具体的な処置を伴わずに経済が成長すれば税収増が得られるとか、予算の効率化や税金の無駄を根絶すれば○○兆円出てくるといった極めて安易な発想に基づくものである。
確かにこの種の財源も、可能性として存在しえよう。しかし予想、願望にすぎず、いつどの程度確保できるのか財源としては非常に不安定で、毎年着実に手に入るものではない。したがってかりにこの種の不安定な財源は、たまたま恵まれたときに財政赤字削減に充当するべきである。
マニフェストの政策提言は、いうまでもなく第一のタイプの財源論に基づかねばならない。国民迎合的な第二のタイプのみでは、政権党の政策論としては評価に値しない。国民に無用な混乱を与えるのみである。
'09.8.15.朝日新聞