散歩道<3088>

                        くらし考・ひとり暮らしのひけつは?(2)             (1)〜(2)続く
   
                      生活力で自立人づいあい貯蓄を

・・・・お金をだせば、代わりにやってくれるサービスがたくさんあります。
 もっと楽に、楽に、が社会の流れ。確かにつらいものを無理することはない。お漬物だって、袋に入れて売られています。でも例えば、ぬか床をかき回わしてつけるという暮らしの知恵は受け継ぎたい。知恵を持っておき、後で生活に取り入れることもできます。年を取れば、時間持ちになりますから。
 必要な時は人の手を借りることも大切です。高いところのものを取ろうとして、無理して怪我をすることもありますでしょう。私は、昔から知り合いの大工さんがいて、修繕や庭の手入れなどをお願いすることが多いのです。
・・・・そういう人はどうやったら見つけられるでしょう。
 やっぱり人間関係の貯蓄だと思います。親類でも友人、ご近所でも、そうですよね。食事を一緒にしたり、作った料理を分け合ったり、できることは相手に甘えないでできる限りして。そんな良い付き合いをしていれば、色々なことが頼みやすいし快くやってもらえる。どの世代でも同じ。一人で生きているように思っていても、人の助けを受けている。ひとり暮らしだけれども、ひとりぼっちではないいんです。
 ただね、自分を慎まなくてはいけないこともあります。ひとり暮らしだと、だんだん自堕落になることもある。なんとなしに散らかって、生活が汚らしくなっていく。誡めるためには、何か自分に課すものがあった方がいい。わたしはメダカを飼っているんです。世話する生命がいる、面倒見る責任がある、それが自分に緊張感を持たせてくれる。

'09.8.11.朝日新聞・生活評論家・吉沢 久子さん

関連記事:散歩道<検>女性、